創設者の設立の趣意
創設者 渡辺 美智雄
設立年月日 1987年10月31日
近年、わが国はその経済発展とともに世界経済のなかで重要な役割を担うようになりました。これからの世界の調和ある発展を図るためには、世界的な経済活性化が重要であり、発展途上国に対するわが国の経済協力も年々拡充されてきています。
今後経済協力のうちでも、人造りを目指す技術協力の充実が注目されますが、なかでも医療は健康を願う万人の基本的欲求に深く関わりを持つ領域であり、世界の国々において、優れた医療技術に対する社会的要請は、医学の進歩とともにとみに高まりつつあります。しかし、国により技術水準は一様でなく、恩恵の及ぶところもおのずから異なっているのが現状であります。健康な生活を享受したいという人間本来の希望は人類共通の願いであることを考えると、医療技術の国際的な交流の促進は現下、緊急の課題と言えます。
近年、現代医療の進展は目覚ましいものがありますが、医薬品の開発、医療機器の発達及び医療技術の進歩などとともに、医師を中心とするチーム医療の発展もその重要な要因であると言えます。近代化された病院や研究所においては、医師のみでそれらを充分に機能させることはもはや困難であり、チーム医療による効率的な活動が付加されて初めて総合的な医療がその機能を発揮することになります。
本財団は、今日の医療を支える医療技術の振興と医療技術者の国際交流の必要性と重要性を考慮し、広範な医療技術に関するすべての技術分野について国際的な視野に立って交流を行い、技術研鑽を積み、技術者相互においても理解を深め国際協力を促進し医療技術の振興を図り、もって人類の福祉に寄与することを意図して設立されました。